ケアしろかねの紹介


イントロダクション

 

ケアしろかねは白金北里通りに事務所を構えていますが、普段ここにいらっしゃる地域の方々の多くは、誰も介護事業所だと思っていません(笑)。休憩所スペースで行っているバザーの印象が強く、リサイクルショップとしか思っていない方もいらっしゃいます(もちろん古物商も取得しています)。

ねこのてサービスを希望される方も多く、休憩所前で手に入れたチラシやどこかでだれかにもらったチラシを見て直接いらしゃったり、電話をしてくる方が月に数件はあります。皆さん「何屋さんの?」と尋ねてきますが、「介護の仕事をやっています」と伝えると、大抵は驚かれて「全然知らなかった」「いつも通っているのに気付かなかった」「ほんとだ、そう書いてあるわね」などの反応をいただくことが多いです。

お隣の八百屋さんからの紹介で介護の相談にいらしたり、近くだからと困っていることを話に来たり、数か月に1回の北里HPへの通院時にバザーを覗くのを楽しみにしてくださっていたり、様々な方々がいらっしゃいます。営業に来た同業者の方々がそういった場面に当たると、人によっては非常に戸惑われる場合もあります。

これは我々にとっては大変ありがたいことです。おかげさまで、地域における生活の場で一つの資源として認識され、介護事業所としての側面はあくまで地域の必要なものの一つとして位置付けることが可能な状況になっています。

 

「あなたたち、大変ね。介護もしてこんな一円にもならないことにも時間を使って」と言われることが良くあります。はい、確かに大変です。でも、やっぱり地域で仕事をするということは、こういうことなのだと思います。「何か困ったらあそこのお兄ちゃんたちのところに行けばいいよ」という場所でありながら、専門職としても地域で最高のケアを提供し続けていた行きたいと思っています。

 

どういう経緯でこんな事業所がここに根を下ろしたのかを紹介を、以下に綴っています。

 

平成31年1月 中村・星

 


ケアしろかね開設の経緯について

 

私たち(中村、星、他ヘルパー数名)は平成27年2月まで、株式会社の運営する居宅介護支援事業所と、社会福祉法人の運営する訪問介護事業所に所属し、訪問看護ステーションも含めて、介護と医療の連携を目指し、異なる法人の運営する3つの事業所でありながら同一事務所をシェアする形で業務に励んできました。

 

当初は白金で定期巡回・随時対応型訪問介護看護を立ち上げる事を目標に、元々が現在千葉県柏市で運営されている地域包括ケアシステムのモデル事業のための、試験的な色彩を強く帯びた事業所として立ち上げられました。

結果として、諸事情により定期巡回・随時対応型訪問介護看護は実施しませんでしたが、これまでに何名かのご利用者様を共同で担当し、重度の経口摂取の難しかった利用者を普通に食事が摂れるところまで回復させたり、在宅看取りに入った方を24時間体制で臨機応変に対応し最後まで関わったり、、、それなりの成果を残してきました。

訪問介護事業所の常勤は、全員がそれぞれ在宅だけでなく特養や老健、ケアハウス、グループホームやデイサービスなど多職種が密に連携を取って関わる場を複数経験してきていました。そのため、在宅しか経験のない職員の多い事業所と比べると医療依存度が高かい方、重度で介護のスキルと応用能力が必要な方、難しい方への対応についてより多くの引き出しがあったこともあり、また、在宅での介護に施設系の方法論を持ち込んで双方の良い部分を同時に活用しながら難しいケースや上手くいかなかったケースの受け皿となり、安定した状況に引き上げてきました。介護保険で補えないことをどのようにフォローして生活全般を支えていくかまで踏み込んで、通常、事業所側が根を上げたり放棄したりする部分にこそ自分たちの強みを発揮してきました。

居宅介護支援事業所の方も新規の依頼が後を絶たず、関係機関と信頼関係を築きながら受け持つご利用者様を伸ばしてきました。

 

しかしそんな中、法人内ののっぴきらぬ諸事情により双方ともに平成26年度中に白金での事業から撤退することとなりました。このまま事業所を閉じることになれば、今関わっているご利用者様方だけでなく、ともにケアにあたってきた関係機関、事業所の方々にも多大なるご迷惑をお掛けすることになってしまいます。また、訪問介護事業所でケアに入っている利用者様においては、余程の精鋭職員を配置してきめ細かい対応を行わない限り在宅生活を維持することが難しい方もいるため、単に引き継げば済むという問題でもありませんでした。

 

そのような事情もあり、 ケアマネージャーの中村と訪問介護事業所管理者の星は、お互いが現在関わっている利用者に対して責任を果たすため、一緒に仕事をしている気心の知れた職員達と新たに事業所を設立し、今後も港区を中心に替えの利かない介護事業所としてさらならサービスの質の向上を目指していく決心をしました。

 

緻密な連携の取れる小回りの利く事業所にしかできない介護の在り方を追求し、同時に、 小規模事業所でしかできない運営・経営のノウハウを活用し、働く職員にとっても替えの利かない事業所であるよう、また、多くを職員に還元することができるよう努めていきたいと思いスタートしました。それが平成27年3月のことになります。

事業所の特徴・目指すこと

その後は無理に利用者を増やさず、範囲をあまり広げず、白金・高輪エリアを中心とした白金台・三田・広尾・南麻布周辺エリアで地域の資源と関わりながら、本来の意味での地域密着型のケアを実現していくことを目標としてきました。

ケアマネの中村を中心に、事業所間の連携だけでなく、包括や関係機関と協力しながら情報共有と役割分担を行いながらチームで関われるよう努め、介護保険サービスだけでは対応できない問題をどのように解決し、利用者それぞれの生活をどのように支援していけるかに取り組んできました。

 

個人事業所なので、法人としての縛りを最小限にしながら各自の責任において行動することを前提にし、その分、どの事業所よりも手厚く細部まで行き届いた対応を行うことを目指してきました。他事業所では対応できない部分で負担を被ることも多かったのですが、大変ありがたいことに、一緒に仕事をしている関係者からは居宅・訪問ともに評価をいただき、ご家族からもありがたいお言葉をいただいてきました。

事業所としてはまだまだ行き届かない点が多くありますが、それでも、法人としての基礎体力を上げ、問題意識を失わず、自分たちの提供するサービスに誇りをもって臨めるような職員たちと、最良のサービスを提供できるよう努め、数多くあるその他多数の事業所の一つではなく、たった一つの「ケアしろかね」という事業所の存在価値を日々の関わりの中で証明していくために日々勤しんできました。

 

事業所の運営にはキレイごと抜きでそれなりの売り上げが必要ですが、売り上げのために介護をし仕事を増やすという考えは初めから捨て去り、これまでに積み重ねてきたノウハウを駆使して徹底的にランニングコストを削減し、効率性を確保する仕組みを独自に作り上げることで高い利益率を維持してきました。それによって、少ない売上でも削減された分の経費を職員の賞与などに回すことが可能となり、売上優先の業務から解放され、初めて利用者本位の取り組みを行うことが可能となります。

我々は介護サービス事業所であり、介護サービスを提供することが職分であり役割ですが、我々にできることはささやかなものでしかありません。週に数回、多くても一日数回、もしくは一日のうちの数時間訪問してケアを行うことくらいしかできず、高齢世帯であったり独居で心身が衰えてきたり、身寄りがなかったり、あるいは家族がいても支援することのできない状況にあれば、事業所・関係機関でどんなに密に連携して関わっていても、日々の生活そのものを長い視点で支えていくにはあまりにも不十分な仕組みと言わざるを得ません。

だからこそ地域包括ケアシステムという概念が降って沸いたように現れ、差し迫った課題として国を挙げて2025年問題対策が取られているわけですが、一事業所としての日々の取り組みとしては、職員のサポートも含め、売り上げに直結しない部分でどれだけの時間と労力を割くことができるかが、地域において利用者本位の支援を実現するカギになると考えています。

 

しかし、以前より「地域」で生活ベースの支援を達成していくためには介護保険のサービスを行い事業所を運営していくだけでは限界があると感じていたのも事実で、様々な人たちを巻き込んで地域に根差した事柄を実施して行きたいと考えていました。非営利法人が行政とともに各地域で行っている取り組み、地域におけるグループでの活動、暮らしの保健室など、様々なモデルがありますが、我々は民間の小規模な組織にしか担えない役割を目指したいと考えていました。

そのために、複合施設のような総合的な介護の拠点としてではなく、生活ベースでの相談援助を基本としながら従来の医療介護系の法人とはまったく異なる機能を担う地域の「場」を作っていきたいと思っていました。独立して間もないこともあり、実際に実施するのは数年先のことになるものと思っていましたが、いくつかの偶然と関わりとケアしろかねのスタンスがシンクロして思いがけず早期に開始する運びとなりました。

 

移転と今後

 

ひょんな縁から、今年(平成28年)の4月、マンションの一室にある事務所から、店舗スペースも備えた白金北里通りに面した一戸建ての1階に事務所を移転することになりました。その際に念頭にあったのは、ケアしろかねという介護事業所であることを前面に出すのではなく、介護を生活における必要なものの一つとして捉えて様々な取り組みを行う場所であり、その中にケアしろかねという介護を行う事業所も併設している相談窓口というイメージでした(2階の部分も賃貸スペースなので、連携してともに取り組みのできる法人と何かやりたいなと考えてもいましたが、こちらは現時点では保留のままになっています。興味のある方がいらっしゃればご相談ください)。

 

移転後早い段階で開始しようと考えていたのが、介護保険・介護事業所の立場から切り離した地域における日常生活支援的な事業(ねこのてサービス)と店舗スペースの運営でした(白金北里通り休憩所)。

前者は地域における万事屋的なものとして、後者は寄合所のようなものとして、かつてはそれぞれの共同体で担っていた役割・機能を果たしていければと望んでいます。休憩所は、医療・介護の観点からは地元の気軽な相談窓口であるだけでなく、地域で医療・介護などに関わる人々を繋げていく拠点となるような場へと育てていきたいと考えていますが、高齢者のための「場」と限定的には考えていません。また、一般に開放してイベントなども企画していく予定でいます。民間の非営利スペースならではの身軽さと柔軟性を活かしたゆるやかな取り組みを行っていきたいと思います。

 

今年度(平成28年)の後半から来年(平成29年)にかけては、まだオープンにするタイミングではありませんが、新たにスタートしていきたいこともあります。様々なアイディアがあるので、地域に貢献できるものを一つずつ形にしていきたいと思います。

 

今後ともよろしくお願いいたします。

                                                  平成28年5月


管理者の紹介

工事中

 


ケア・事業所の特色など

工事中(H31年1月現在、更新途中です)

 

訪問介護における最大の特色は、常に矛盾したり反比例する利用者の利益の追求と職員の負担の軽減を高いレベルで両立できる取り組みがどんなケースでも行われ、実際に、成果と結果を出してきていることが挙げられます。

 

介護保険内のサービスだけで利用者の生活が支えられなかったとしても、また、諸事情により自費サービスが使えなかったとしても、制限のある中で「〇〇だからできない」ではなく、「●●をできるようにするためにはどうすればいいか」という思考と態度の元に、様々な可能性をまな板の上に乗せて吟味します。

 

日々のケアではトライ&エラーをしつこく繰り返し、臨床的に達成可能な蓋然性を高めて有効な対応や手法を抽出して全職員にリアルタイムで共有しながら取り組んでいきます。

例えば、訪問介護事業所として関わり始めてすぐのヘビーな認知症の方であれば、認知症状の結果現れてくるものが如何なる要因や本人の生活歴に潜んでいるかを毎回の訪問時にアセスメント&共有→分析&フィードバックを職員間で実施しながら、都度対応方法を練り上げて、対症療法的な後手後手の対応を回避して、認知症状に伴う生活上の問題の根源にアプローチすることで問題自体の根を直接断つなり軌道修正をかけるなりできるような取り組みを実施します。

ですので、ケアしろかねでは基本的に利用者宅に申し送りノートというものを置きません。それを各作業自体が無駄な仕事であり、訪問するまで誰が何を書いたかもわからず、1週間に複数回入っている方だと、訪問頻度の多いヘルパーと少ないヘルパーとで状況認識が隔たり、例えば、3日ぶりに訪問したヘルパーがその場ですべての情報を把握して適切な対応が取れるとは到底考えられません。入っているヘルパーからの報告がなければ、サ責による現場の状況の把握度は壊滅的であるのは言うに及びません。しかも、大抵は主観の入り混じった電話報告で人によって内容が異なり、実状もはっきりせず、ヘルパーからの報告をそのままケアマネに伝えてしまうことで混迷の度合いは増すばかり、ということも少なくはありません。そんなことでは繊細かつ足並みの揃ったケアなどできるわけがありません。

なので、ケアしろかねでは必要な申し送りはすべて利用者毎に職員間でメール報告と共有を適宜行い、その利用者への次回訪問前までの流れや特記事項は共有されている状態をデフォルトとしています。施設経験のある方ならご存知の通り、出勤時点での担当フロア・ユニットの利用者の記録は勤務開始前に必ず目を通して把握するよう指導され、通常は申し送りを受けてそれまでの各利用者の情報が引き継がれてから勤務が開始されます。在宅では昔からそれがまったく行われてなく、利用者宅に置いてある連絡ノートを各自が読んでそれぞれにお任せで業務がなされていたことが異常に思えていました。

ヘルパーからの報告とは逆に、サ責から指示が必要なときは全員に同じ言葉で対応内容とその根拠や理由、想定されるイレギュラーな要因まで含めてメールにて周知します。従って、言葉の選択や情報の伝え方が誤っていればそれはサ責の責任になり(皆に伝えている以上、その内容を確認・理解しないで指示に沿わない対応をした場合は、ヘルパーの過失として皆に理解されます)、ヘルパーは自分たちで対応方法の不安を抱えたり、それぞれが個人の判断でバラバラなケアを行うことを避けることができ、他の職員とも横の繋がりを常時持ちながら利用者に関わることができます。

またヘルパーから自発的に疑問や意見が挙がり、そこから新たな見直しや対応方法が決まっていくこともあります。賞与の考え方のところにも書かれていますが、基本的に雇用形態や待遇は職責に応じたものであり、対利用者のヘルパーとしての立場は全職員がフラットなのがここのルールです。登録ヘルパーの意見を無視して、「常勤でもないのに余計なこと口はさむな」という態度を取られるのが当たり前の事業所もありますが、常勤も登録もサ責も利用者にサービスを提供するヘルパーとしての立場に上下はありませんので、誰かの意見によって何かが決まるのではなく、どの意見が最適かを事業所として判断します(事業所として判断する必要のない利用者に関わる細々としたケアの内容や物の置き場所や手順などの事柄は、職員間で皆がやりやすいように、また、利用者や家族にとって良い形を、ヘルパー間で決めてもらっています)。

その上で、月に1回のミーティング時に様々な確認・見直し・決定・報告・共有をそれぞれのケース毎に行い、事業所としての対応方法と方針を明確にします。

もちろん、皆個人の思いや考えがあるので、難しい状況になればより一層抱える思いも複雑化してくるので、それもお互いできる限り明らかにし、その上でどうすべきかを判断します。管理者、サ責も含めて、職員は皆事業所として対応するので、自分のやりたいことや思ったことなどをされても困るし、それを改善できない責任は個々人にあるのではなく最終的に管理者に帰属するのです。

自分自身、個人的には思うことと本来はこうあるべきと考えること、職員の技術・経験、利用者と家族の希望(これはバッティングすることが良くあります)、ケアマネのマネジメント能力や力量などなど、様々な要因の中でどれがベストかを事業所の立場を踏まえて、今現在の利用者の状況だけではなくこれから先を見据えた長期的スパンで捉えて、対応方法を決定しています。

専門職としてどうあるべきかが現場に徹底されていなければ、介護保険が始まった当初に主婦の素人仕事と揶揄されたような状況はいつでも量産されてしまいます(未だそう言われても仕方がないようなことを目にしますが、、、)。

 

体調の変化が激しい状態や医療的に毎日の管理が必要なケースなどでも、同様に日々の状態を共有しながら適切な対応を関係機関と連携しながら関わっていきます。と言うと、どこも同じようなことを言ってはいますが、その内実は相当な差があります。

通常、訪問介護事業所が行う医療との連携は、せいぜいヘルパーから上がってきた情報をサ責がケアマネに報告したり、訪問時に異常があったときに訪問看護ステーションや往診医に指示を仰いで対応するくらいのものだと思います。それだって、担当しているヘルパーが問題として拾えなかったり認識されなかったら報告として上がらず、次回の往診時や看護師の訪問時に把握されてケアマネ経由で対応方法や情報が下ろされるというのがよくある流れだと思います。

ここに潜んでいる問題点は、以下の通り。(続く)